辻説法   世直し新聞

日々移り変わる現代に於いて、進みべき道を模索し提言申し上げます

自治会長編  2   後期高齢者社会を思う

自治会総会で悲壮な顔をして、質問をしてきたご老人
Tさん 「いやね、うちの隣の人が夜中にがんがん、壁を叩くんですよ」いかにも気の弱そうな、おじいさんは、泣きそうな顔で訴える、
「隣のTさんは、うちに猫や犬がいると言って聞かないんです」動物などいないと言っても、全く信用されず、夜中まで壁を叩きまくるらしい。
「そんなババア、浦安に埋めちゃえば良いじゃない」いけねえ!あぶない、あぶない本音が出るとこだった。
「大家に言ってもダメですか?」俺は聞いてみた。
「何回も管理室に行って、苦情を申し上げたのですが、掛け合ってくれませんでした」
「じゃあ、しょうがない、部屋に火付けましょう」いけねえ!あぶないあぶない、また出るとこだ。
「取り敢えず行ってみましょう」
被害者の自宅に向かう
「すいませんね すいませんね」
途中、自分が悪いみたいに頭を下げるご老人
「いや、これが仕事なので、気にしないでください」
自宅に到着 ご老人の扉には、きちがいがやったとしか思えない黒マジックの落書きがびっちり
「これも、隣のTさんがやりました」
「ほう、良かったですね うちだったら許さないですよ
チャイムを鳴らす
(ピポーン ご用件をお伝えください)
どうやら、録音機能のインターホンらしい 
自治会のお母さん達に、言葉使いに気をつけろと言われていたのを想い出した。

「おい、こら、散々、近所に迷惑掛けやがって、出てこい、コラ・・・でございます」
「・・・・・・」
「このドア、開けないと叩き破って中に入るぞ コラ・・・でございます」
どうやら、居留守を使っているらしい・・・
仕方がないから、扉を優しく叩かせて貰った

 ガン  ガン  ガン!!

慌てて、座敷童のような、ばばあが出てきた。
「何かしら・・どうしてうちの扉を叩くの」

「あなた様でございますか、隣の壁を夜中まで叩き続ける、気の違ったご婦人は?」

「隣は犬と猫を飼っていて、その異臭が24時間するんですよ、どうしてくれるんですか」

「そのような事実はありません 先ほど確認致しました、それより何で迷惑を掛けるのでございますでございますか?」

やばい、言葉が変になっている!!

「被害を受けているのはうちです、あなたは何を証拠にそんな事を言っているんですか」

これはだめだ、この、おばさん、眼が逝っちゃっているし、口からはよだれが泡を吹いている。

「ともかく、二度と壁を叩いたりしないでください、これ以上、お隣に迷惑を掛けるのならば、警察に通報します」

ばばあが思いっきり、ドアを閉じる、危うく手を挟まれるところだった。

その後、被害者のご老人から、1年以上続く騒音被害の実態を聞かされる。
こんな事続けられたら、俺でも気が狂うと思うほどだった。

長年、生きてきて終の住処でこんな目に遭うなんて、思いも知らなかったと最後は泣きながら話す、ご老人。

後期高齢者の抱える問題は根が深く簡単には解決しない事を思い知らされた。




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